血液検査

 血液にはさまざまな種類の成分が含まれています。その成分は病気の有無や身体の状態によって量が増えたり、減ったりするので、これらについて詳しく調べることは正しい診断につながります。

 ひとえに血液検査といっても、調べられる項目は1000項目以上もありますが、通常は、疾患を有無や程度を見定めたり、身体の状態を把握するのに必要な項目だけを選んで行われます。当院では血液検査の多くを民間の検査センターへ外注していますが、より迅速な診断が求められる事態に備えて、いくつかの検査項目については院内で迅速に結果を得られる機器および体制としています。

−院内で行っている血液検査−

○ 血球計算機(赤血球や白血球などの数を測定します)
○ ドライケム(血液に含まれる微量な成分のうち7項目について調べます)
○ ラピチェック(心筋梗塞の有無を推定するための迅速テストができます)
○ 血沈検査(おもに炎症を伴う疾患の有無や程度を知ることができます)
○ 血中ガス分析(血液中に含まれる酸素や二酸化炭素の量を調べます)

 
尿判定量検査・便潜血検査

 おしっこ(尿)は、血液中の老廃物などが腎臓でろ過生成されたものなので、間接的に血液の状態、つまりは全身の状態をうかがい知ることのできる重要な検査の一つです。また、尿の生成、搬送にかかわる腎臓・尿管・膀胱の状態についても知ることができます。尿の取り方、検査手法についてもいくつかの方法がありますが、院内では尿潜血や尿糖、尿ケトンなど数項目について迅速に知ることのできる検査設備を整えています。より詳細な検査が必要なときは、血液検査と同様に外注としています。

 大腸がんの早期発見に有効な便潜血検査も院内で実施しています。

 
その他の検体検査

 血液や尿以外にも、痰・胸腹水・粘液・細胞・臓器組織など身体から採取したさまざまな検体について必要な検査が行われます。検体中に疾患の有無や状態を知ることのできる細胞や成分、または細菌などの有無や量について調べます。これらの多くは外注検査としていますが、一部の項目については院内で迅速に調べることのできる機器および体制を備えています。

−院内で行っている迅速検体検査−

○ インフルエンザテスト(インフルエンザ感染の有無を調べます)
○ 溶連菌テスト(扁桃腺炎などの原因になる溶血性連鎖球菌に関する検査です)
○ マイコプラズマ(肺炎の原因となるマイコプラズマに関する検査です)
○ MRウレア検査(胃潰瘍などの原因になるピロリ菌の有無を調べます)