お薬のはなし2

 病院や薬局でもらうお薬には「食前」「食間」「とんぷく」などと書かれていることがありますが、これらの意味おわかりになりますか?

 これらはお薬を飲むタイミングを指示しているのですが、お薬の効果を十分に得るにためには、適切なタイミングで飲む必要があります。そこで、お薬を飲むタイミングと、諸注意についてまとめてみましたので、参考にしてみてください。


お薬を飲むタイミングぅ

 つぎの表にお薬を飲むタイミングをまとめてみました。

食前

食事の20〜30分前

食後

食事の30分くらいあとまで

食間

朝昼食、昼夕食のあいだなど、前の食事の2〜3時間後

食直前

食事をとる前の10分以内

○時間毎

食事に関係なく一定の間隔で

とんぷく

痛いとき、熱が高いときなど症状がでたときに

 お薬を飲むタイミングをみるだけで、そのお薬の種類や特徴がわかるものがあります。

 たとえば、食前のお薬には、食前に飲むほうが効果が高いお薬が含まれるのは当然のこと、食欲をださせたり、胃腸の働きを高める作用があるお薬が考えられます。 食後のお薬は胃腸に対しての副作用が強いお薬や、食べ物の消化を利用することで吸収されやすいお薬があります。 食直前のお薬には糖尿病に関するものや、食べものより先に腸へいき、食べものの吸収を妨げるはたらきをするものがあります。

 お薬は飲むタイミングを間違えないで使ってこそ、効果が得られるものなのです。ただしく飲むように心掛けましょう。


 でも、タイミングを逃してしまったときや、タイミングを逃さないように飲ませたい乳幼児のときはどうしたらよいか、次からみてみましょう。
お薬を飲み忘れたら

 飲むのを忘れてしまったとき、食前のお薬なら、食後に飲んでも効き目がありませんので、次こそは忘れないように注意しましょう。食後のお薬も、次の食事までに十分に時間があるときだけ(4時間以上)飲むようするといいでしょう。

 お薬を飲み忘れたときの対処方法は、処方した医師や薬剤師にたずねてみるのが最も良いです。くれぐれも1度に2回分を飲まないようにしましょうね。

こどもさんのお薬

 とくに小さなお子さんでは、お薬を飲ませるのにたいへん苦労されることもあるかと思います。

 乳児なら、粉薬は湯冷ましでペースト状にして、上あごやうちほほに塗ってあげるようにしましょう。幼児なら、なににも混ぜずにそのままお薬を飲むようにしますが、どうしてもというなら、ヨーグルトやアイスクリームに混ぜると良いでしょう。ただし、乳製品とあわせると効果が悪くなるお薬もあるので注意が必要です。

お酒とお薬

 「酒は飲んだらあかんのけ?」と聞いてこられる患者さんもたいへん多いです(笑)

 アルコールは胃腸の働きを抑えるので、お薬による胃腸への副作用が強くなることもあります。また、いつもより少量のお酒で酔ってしまったり、頭痛や動悸などの症状がでてきてしまうこともあります。 お薬を飲んできる期間は、お酒は控えていただいたほうがよろしいでしょう。

お薬と食事のとりあわせ

 お薬によってはお薬の十分な効果を得るために、控えたほうが良い食べものがあります。

 たとえば血液をサラサラにするお薬では「納豆」、血液のお薬のときはグレープフルーツを摂らないように注意しましょう。また、気管支拡張剤とカフェインでは頭痛をともなうこともあります。特に食べあわせに注意しなければならないお薬のときは、医師や薬剤師が必ず説明をしますので、必ず守るようにしましょう。


 以上を参考にお薬を正しく飲むように心掛けてください。
 また、わからない事がありましたら、遠慮なくおたずねください。